外出にちょうどよい季節になってきた。５月中旬の劇場作品を紹介しよう。前回も述べたように５月スタートの作品は非常に多い。さくさく触れていこう。



　16日（金）から『シナぷしゅ　THE MOVIE　ぷしゅほっぺダンシングPARTY』が公開。テレビ東京系の幼児向け番組『シナぷしゅ』の劇場用作品第２弾だ。バカンスでどんぐりアイランドを訪れたぷしゅぷしゅとにゅう。島の歓迎に夢中になったぷしゅぷしゅだが、ふとした拍子にほっぺがどこかへ行ってしまった!?　ほっぺを探して島を巡る冒険にいざ出発！　監督は清水貴栄。



　同じく16日公開が『卓球少女　閃光のかなたへ』。卓球に賭けるルオイら４人の少女たちの活躍を描く、中国・画枚動画のオリジナル作品。全３話でネット配信されたものを１本にまとめて劇場上映する。監督は佳菲。近年、中国語圏の作品紹介に熱心なアニプレックスの配給だ。



　こちらも16日公開がインディーズ作品『無名の人生』。『MAHOROBA』『無法の愛』で知られる鈴木竜也監督の初長編だ。アイドルを夢見ながら波乱の人生を送るある少年の足跡を描く。柔らかい絵柄、淡々とした語り口ながら、不穏な世界を描き出して話題を集めた俊英の最新作だ。『音楽』で知られる岩井澤健治監督がプロデュースを手がけるというのも興味深い。



　翌週23日（金）より『怪盗クイーンの優雅な休暇』が上映スタート。ミステリ作家はやみねかおるの児童文学が原作。『怪盗クイーンはサーカスがお好き』に続くアニメ化第２弾だ。性別、年齢、国籍いずれも不明だが、狙った獲物は逃さない怪盗クイーン。大富豪サッチモの挑戦を受け、彼の宝石を奪うべく豪華客船へと乗り込むが、どうやら別の者も同じ宝石を狙っているらしく……？　監督は池田重隆、脚本は國澤真理子。アニメーション制作はイーストフィッシュスタジオ。



　同じく23日（金）より『ドラゴン・ハート　霊界探訪記』が公開。幸福の科学出版製作の劇場アニメ最新作だ。製作総指揮を手がける故・大川隆法の故郷である徳島が舞台。中学生の竜介は、景勝地・大歩危小歩危で危ういところを龍に助けられ、誘われるまま霊界を巡ることに……。監督は今掛勇、アニメーション制作はHS PICTURES STUDIO。



　同23日より『プリンセス・プリンシパル　Crown Handler　第４章』もスタート。アクタスが手がけるオリジナルシリーズもいよいよ佳境に。王国と共和国に分断された19世紀末のロンドンで活躍するアンジェら少女５人のスパイチーム・白鳩。前章でメアリ王女の亡命に失敗した彼女たちは王国側からダブルスパイを強要されることに……。監督は橘正紀、脚本は木村暢。



　最後に紹介するのが『ORLIK』。haienaが監督、ジャン・ピエール・フジイがアートディレクターを手がけるインディーズ作品で、『LUGINSKY』に続く長編第２弾。コラージュやカットアウトを駆使し、幻夢的なビジュアルを描き出す。映像作家オルリックは自分の意識を映像化する装置を使って制作を試みるが、次第に作品に飲み込まれていく。23日（金）より、東京・アップリンク吉祥寺にて上映スタート。

≪劇場アニメリスト≫
2025年5月14日現在、編集部調べ