COLUMN

第749回 つまらない答え

 この間、大好きなYouTubeを観ていたら、

貴方にとって“アニメ”とは何ですか?

的なCMが流れていました。もちろん、これは一視聴者に向けて発された言葉だと思われるので、我々アニメ業界人が考えることではないのでしょうが、敢えてふと考えてみたのです——自分にとってアニメとは? と。そしたら、ふたつ答えが出ました。
 ひとつは一視聴者としての自分にとって、アニメとはハッキリ“出﨑統”です! 人生の全てを“出﨑アニメ”から学んだと言っても過言ではない板垣にとって、当たり前な答えです。少なくとも自分は、出﨑アニメ以外不要論!
 もうひとつの答え、業界人である自分にとって、やはり

アニメとは“仕事”!

です。まあ、世間的に好きなことを生業にしている者が軽々しく“仕事”とか言うと、これまた打算的で良いイメージでは受け入れられないのは分かっているのですが、板垣個人としては“仕事”って決して打算でも悪いイメージでもありません。単純に言って生活費を稼いで人生を成立させる手段が“仕事”なはずです。自分の場合、たまたま運よくそれがアニメだったと。「食う為にやってる~」? 全然結構な話じゃない! むしろアニメを“皆に褒め称えられるための手段”とか“アニメ著名人として富と名声を得て芸能人同様の扱いをされたい”か、ましてや“~賞を取るため”などと捉えてる方がよっぽど歪だと思います。そもそも、

別に誰に褒められなくても、日々の生活を送ること自体が、皆に平等に許された人生!

が人間の基本でしょう。そういったメッセージを教えてくれるのもまた“出﨑アニメ”で、人生を半分以上消化したこの歳になるとさらに実感できてきます。
 仕事としてもアニメ程面白いものはなく、

二次元の中にペン一本で空間とキャラクターを作り出し、さらにそれを動かす!

という快感は何者にも勝る魅力に満ちていますし、これからも続けたいと思う仕事! たぶん、どこからも仕事がこなくなっても、一人で作画ツールを使ってアニメ作ってると思います。だから板垣に取っては、

面白くて楽しくて絶対に辞めたくない仕事——それがアニメです!

と今のところ、断言!

 後、近況報告として、今ミルパンセ制作中の作品(シリーズ構成・総監督)に関してはまだ発表できないのです、スミマセン。が、去年夏頃~今年初めに掛けて、作画の指導やら原画作業したもの、そして演出処理のお手伝いをした下請け仕事の方は近々放映されると思うので、よかったら観てください(そちらもまだタイトルは言えませんが)。そもそもノンクレジットのもあるか?