COLUMN

第696回 『蜘蛛』EDの話

 で、ようやくエンディングの話。まず曲作りはOP・EDとも音楽制作のKADOKAWAさんより「どのように?」と訊かれて

OPは「人前(アニメファン以外の方々)で堂々とカッコよく歌えるアニソンで!」
EDは「逆にどんなのがご希望ですか(訊き返し)?」

的なやりとりがあったような? OPは抑揚のある(ドラマチックな)アニソン。毎作、たいてい出す注文です。あと、とにかく「カッコよく」と。蜘蛛子というキャラクターから「カワイイ〜ギャグ・コメディ作品」を目指す方向も可能性としてはあるわけで。実際、時系列では後になりますが、1話のアフレコ時に「カッコいい作品を作りたいのです」と言うと、「私(蜘蛛子)」役・悠木碧さんも、「え?」と意外そうでしたし、そこは主題歌制作のKADOKAWAさんからも提示されてしかるべき議題だったのです。で、自分は迷わず「カッコよく!」と。今作『蜘蛛ですが、なにか?』、感触としては悠木さんにも出演していただいた『ベン・トー』に近いんですよね、俺が目指したギャグと真面目・カッコいいのバランスが。自分の中で

ギャグ(笑い)とカッコいいって表裏一体である!

と思ってるとこがあって、『ベン・トー』と同じくそれを目標にして作ってます。余談ですが、何年か前に『てーきゅう』のインタビュー取材を受けた際、『てーきゅう』の感想を尋ねると、その記者さんから「カッコいいアニメだ」と返ってきてとても嬉しかったのを思い出しました。
 で、EDはというと、KADOKAWAさんからの提案が「蜘蛛子(cv.悠木碧)の電波ソングでいきたいです!」と進言され、板垣は「それ、いいですね!」と。そして、あの曲が上がってきたのでした。