COLUMN

第670回 大塚さんの画集

「大塚康生画集『ルパン三世』と車と機関車と」(玄光社刊)が発売中です!


 メモリーバンク・綿引様、本贈っていただきありがとうございます。これは大変よい本です! 以前ここで話題にした色紙の寄稿依頼の件がこの本でした。自分の他に色紙の寄稿に参加されたメンバーが凄い! ホントいちいち書き出すとキリがないくらい豪華な方々の中、自分1人が浮いてる状態(オレンジ色の帯の裏表紙側参照)なので、興味が湧いた方は是非購入し、確認してください。
 中身はタイトルどおり、ルパンとジープと機関車でいっぱい。その中のいくつかは、俺がテレコム時代に実物を見た画でとても懐かしいです。「おもちゃ箱」関連の画、侍とかジープとかは、大塚さんが描いている最中、我々スタッフに「最近こんなの描いてるんだよ〜」とニコニコして見せてくださったのをよく憶えています。あの頃の大塚さんは、鉛筆で描いた画を一度手差しコピーで画用紙に転写して、それに水彩で着色してたと思います。だから似た画が何枚もでき上がってたんです。それが社内で流行ったのか、友永和秀師匠も『姿三四郎』のDVDパッケージイラストを同様の手法で描かれてました。『姿三四郎』のDVDをお持ちの方はご確認ください。ジャケットの表イラストと、中のブックレットの表紙が同じ線画の色違いなのは、前述の手法で描かれたからです。ま、大塚さんの話に戻します。
 何しろ大塚さんの描かれる車やメカは、すべてキャラと同じく感情でもあるかのように感じられるのはなぜでしょうか? もちろんご自身が車・メカ好きだからなのは間違いないでしょうが、車1台描くにも「誰がどこで何年乗った車なのか?」つまりそのメカの歴史まで表現されてるからこそ、生きて見えるのではないか? CGでいくらサビ・汚れなどのテクスチャーを貼っても出せない”味”が大塚さんの画からは未だに感じられるのです。そのことが再確認できた素敵な本ですよ!

皆さん、是非お買い求めください!!