COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
250 アニメ様日記 2020年3月8日(日)

編集長・小黒祐一郎の日記です。

2020年3月8日(日)
朝から雨。午前中から昼過ぎまで、事務所で原稿作業。今まとめている取材原稿は2020年の段階で「おお、なるほど」と思ってくれる人は50人くらいしかいないかもしれないけれど、後世の研究家の役に立つかもしれないので、なるべく精度を上げておきたい。面白さよりも情報優先。雨がやんだ後、14時くらいから散歩。自宅でハイボールを呑みながらカレーを作って、また事務所に。カレーを作りながら『SUPER SHIRO』を10数本観た。
『牧場の少女カトリ』を最終回まで視聴。終盤のトゥルクでの話は登場人物も多彩で、話数の少なさが勿体ない。学校に通い始めたカトリのことを、クラスメートがどこかの国の王女様ではないかと噂する辺りなんて膨らませたらかなり面白かっただろう。「TVアニメ25年史」の解説によれば、この作品はシリーズ中に何度か打ち切りの話があったらしい。作り手も思ったように話を進めることができなかったのかもしれない。
面白かったのが38話のカトリ、マルティ、ペッカの会話だった。医者になりたいというカトリに対して、そんなことは不可能だとペッカが言い、マルティは夢は絶対にかなえられると熱弁をふるう。ペッカはそんなマルティのことを感心して「お前、この前会った時と比べると、すごく成長したぜ」と言う。マルティを演じるのは古谷徹さんで、その木訥すぎる喋り方は独特のものだ。話数が進むにつれて、その喋り方が味わいとなり、キャラクター性をつくっていった。マルティの熱弁は古谷徹さんのその芝居だからこそ説得力のあるものだった。
40話で町に旅立つカトリに、マルティが父親からの餞別だと言ってお金を渡す場面があるのだが、それも面白かった。

2020年3月9日(月)
やはり月曜は慌ただしい。片づけなくてはいけない用事が多くて、自分の原稿は進められず。昼にずっと前から存在は知っていたけれど、入ったことのなかった定食屋でランチを食べた。看板には喫茶、中華、うなぎ、和食とあって、のれんには小料理、家庭料理をとある。味は昭和の食堂の味って感じ。『疾風!アイアンリーガー』をdアニメストアで視聴開始。極十郎太の声が、工藤新一に聞こえるよ(逆だ)。

2020年3月10日(火)
いきなり!ステーキでランチ。『キン肉マン』関連のキャンペーンをやっていて、サラリーマンも初老のオジサンも、デカデカとキン肉マンの画がプリントされた紙エプロンをつけているのが愉快だった。勿論、僕もその紙エプロンをつけた。15時まではデスクワークと散歩。15時から社内打ち合わせ、17時から外部で打ち合わせ。バレンタインの打ち合わせにチョコレートを持っていった方からホワイトデーのおかえしをいただく。男子から男子へのお返しである。
最近のアニメスタイル編集部は、編集スタッフが線画を元にセル塗りする段階を越えて、オリジナルのセルイラストに塗りミスがあったら、塗り直しのついでに修正する領域に。あるセルイラストが完成から20年を経て、塗りミスが修正されることになった。
引き続き、『疾風!アイアンリーガー』を視聴中。どうして、極十郎太が山口勝平さんで、トップジョイが小杉十郎太さんなんだ。逆じゃないのかとずっと思っていたけれど、このキャスティングで正解という気がしてきた。

2020年3月11日(水)
「入ったことのない店にランチで入ってみよう」シリーズで、散歩の復路で西巣鴨の豚丼屋に入る。かなり美味しい。しかも、夜はホッピーも飲めるし、かなりのデブメニューもあるみたい。ちなみにデブメニューとはデブが好きなそうなメニューのことである。
『疾風!アイアンリーガー』 の32話「熱砂の大盗賊」(脚本/山口亮太、絵コンテ・演出/大畑清隆、作画監督/神志那弘志)がかなりの力作。いつか大畑さんの『アイアンリーガー』を観直さなくてはと思っていたけど、観てよかった。すごいよ、大畑さん。勝平さんもいい。

2020年3月12日(木)
『劇場版 SHIROBAKO』を観る。内容について不満もあるんだけど、あのキャラクター達に再会できたのは嬉しかった。一番よかったのはTVシリーズとの地続き感が強かったところ。
「今石洋之アニメ資料集[コンテ・原画編]」の束見本が出た。表紙まわりの紙を変えて、2バージョン作った。自分で言うのもなんだけど、セットの内の一冊とは思えないボリュームだ。
『疾風!アイアンリーガー』41話「魂の勝利宣言」(脚本/稲荷昭彦、絵コンテ/赤根和樹、演出/織田美浩、作画監督/本橋秀之、宮田忠明)は「はぐれリーガー編」のクライマックス。ああ、この回が赤根さんの絵コンテだったか。「はぐれリーガー編」の後半は熱い話が連続する。アミノ監督が脚本、コンテを担当した38話「はぐれリーガーの絆」もよかった。

2020年3月13日(金)
深夜から朝まで「この人に話を聞きたい」の原稿。散歩とデスクワークと打ち合わせはさんで、14時から某プロダクションで打ち合わせと取材。

2020年3月14日(土)
午前中に散歩。その後に雨。さらに雪。昼間はデスクワーク。夕方からワイフと蕎麦屋に。夜の仕事の段取りに失敗する。『疾風!アイアンリーガー』 を最終回まで視聴。シリーズ全体として、本放送と大きく印象が変わることはなく、本放送時の視聴をトレースした感じ。印象が変わったのはルリー銀城くらい。今観ると、頑張ってオーナーの仕事をしているよ。もう一度観たら、『疾風!アイアンリーガー』 の作品解説が書けそうだ。その後、橋本愛さん目当てでAmazon Prime Videoで「さよならドビュッシー」を観る。