COLUMN

第630回 OPの話〜本編に戻って

■TVアニメ『コップクラフト』オープニングコンテムービー

 『コップクラフト』OPの話の続き。

C-27 はとりあえず劇場版『ゴルゴ13』とかが頭にあったかも。途切れた高架でカージャンプ! 「出崎(統)監督! CGはここまできました!」と戦闘ヘリ! 戦闘ヘリといえば『シティーハンター』のOPもヘリばっかりだったような。「戦闘ヘリが出ればOP」と。このカットもCGにあわせてラフ原・板垣、二原・吉田(智裕)くん。

C-28 戦闘ヘリ爆発、落下するマトバ&ティラナ。2人ともややテンション高め。原画(ラフ?)・板垣、作監・木村(博美)さん。

C-29 落下してくるティラナを(先に着地した)マトバがエスコートし、クルリと回って決め! ダンスに見えたら見えたで構わないけど、それほどダンスを意図してコンテを切った訳ではなく、”ハイテンション”マトバを描きたかっただけ。新人に大雑把に描かせた原画を板垣が全修。作監修正なし。

C-30、31 そびえ立つ高層ビルとマトバ&ティラナ。C-29〜31もOP曲を聴いた際、真っ先に浮かんだ画。”開放感”がテーマ。ティラナの瞳に始まり、もう一度瞳に寄るのはなんとなく計算。こちらも新人にラフから描かせつつ、自分の方で指導しつつ、ほぼ完成までたどり着いたところで木村作監によるフィニッシュ。

C-32〜35 メインキャラらの決め! まあよくあるヤツなのは分かったうえで描きました。一部木野下(澄江)さんによるラフ原ありで木村原画・作監。

 はい、OPの各カット解説でした。ま、大体オーイシマサヨシさんの歌ありきです、このOPは。今回は前作『ユリシーズ』のように「監督、OPで欲しい曲のイメージは?」とプロデューサー始め委員会方面から訊かれることなしに「オーイシさんでいきたいです!」とポニーキャニオンさんから進言されて、完全にお任せでスタートしたので、何が上がってくるのか分かりませんでした。
 で、最初に上がってきたデモの段階ですでに、

 と現行のかたちにほぼ仕上がっており、最初の感想は

なるほど! この角度からきましたか! いいじゃん、このヌケヌケとした「昭和」感!!

でした、もっとハードボイルド系のインストにするなどの可能性もあったかもしれませんが、今作の「洋風刑事ものであり、且つなんでもアリな楽しい世界観」にはピッタリだと思い、コンテも楽しくワクワクする感じに描きました! ただ、オーイシさんの歌に合うように、マトバには原作より少々テンションを上げてもらいました。
 そして、第625回までやってた各話解説に続きに戻ります。5話(からだっけ?)吸血鬼話の続き。今だから正直に語ると、社外に撒いて失敗した作画を自分や木村さん他で大直しした話数。パッケージ版でさらに修正してあります。3話もそうですが、コンテを全話上げてからの板垣の役割は”上手くいってないカット”を1カットでも多く、そして”ローカロリー”に原画を直すこと。これはこれで以外と楽しき! あと、この吸血鬼話は作画の苦労ももちろんですが、役者さんらも非常に大変な話数だったはず。そう、”ファルバーニ語”! 吉岡(茉祐)さんはもちろんのこと、大塚芳忠も。特に吸血鬼役の上坂すみれさんはご苦労されたのでは? もともと上坂さんをキャスティングした理由のひとつに外国語が堪能、とはいってもそれはロシア語であって、見知らぬ架空の言語であるファルバーニ語ではありませんから。上坂さんといえば

 と上坂さんの歌の話題で、少々お話する時間が持てて嬉しかったです。じゃ、6話以降は来週(汗)。