COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
220 アニメ様日記 2019年8月11日(日)

2019年8月11日(日)
コミックマーケット96の3日目。午前中は事務所。馬越嘉彦さんが会場に来るのにあわせて、自分も午後に会場へ。馬越さんにはアニメスタイルのブースの前で看板を持っていただく。
コミケの行き帰りで、Kindleで「さすがの猿飛G」を読む。細野不二彦さんが描いている「さすがの猿飛」の続編だ。あまりにも絵柄が変わっていて驚くが、細野さんの絵が変わっているのは「さすがの猿飛G」を読む前から分かっていたことだ。そのこと自体で文句を言ってもしかたがない。「さすがの猿飛G」はリメイクとか、息子の話とかではなくて、「さすがの猿飛」の続編だった。あれ、原作「さすがの猿飛」の最終回ってどんな感じだったっけ? と思って「さすがの猿飛」の最終刊をKindleで購入して読む。あ~、こんな話だったか。続編が描かれてもおかしい終わり方ではない。だけど、やっぱりこの頃の細野さんの画が好きだと思ってしまう。

2019年8月12日(月)
コミックマーケット96の最終日。事務所で作業をして、午後から会場に。久保田誓夫妻がブースに遊びに来てくれたので、久保田君にアニメスタイルの看板を持ってもらう(久保田君は「さんづけ」にすると「さんづけはやめてください」と言うので、久保田君と表記します)。
話は前後するが、午前中に取材のまとめ作業をやって、テープおこしのクオリティが高くて驚いた。おこしをしている人が、文章の書き手として美意識が高くて、きちんと推敲している感じ。さらに話が変わるが、SNSで「お似合いですよ」と書こうとしたら「『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』ですよ」と変換された。すっかり忘れていたけど「お似合い」で『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』と変換するように単語登録していたのだ。

2019年8月13日(火)
コミケ明けで、事務所はお休み。暗いうちから散歩。午前中にグランドシネマサンシャインで「ライオン・キング」【IMAXレーザーGT3D字幕版】を鑑賞。一部のシーンで「画角が1.43:1のフルサイズまで広がる」仕様で、クライマックスがとんでもなくよかった。映画の一場面に立ち合っているような臨場感だった。それだけでも観たかいがあった。その後は事務所を片づけたり。

2019年8月14日(水)
暗いうちから散歩。午前中にグランドシネマサンシャインで劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』を観る。盛り沢山だし、新しい魅力もあるし、さらに見せ方のポイントもおさえている。トータルで現代の観客が求めるものになっていると思う。「ここでウソップの活躍がほしい」と思ったところでウソップの活躍があるとか、そういうところがいい。今まで、劇場版『ONE PIECE』に関して、最後が「強い敵VSルフィ」になってしまうのがちょっと不満だった。今回の『STAMPEDE』も最後には「強い敵VSルフィ」になってしまうのだけど、そこまでに各キャラクターの活躍と見せ場がたっぷりあるので、不満は感じなかった。ハンコックの扱いが難しいというのも分かった。活躍させすぎると別のアニメになってしまう。それが分かっていても、いつかハンコック大活躍編が観たい。

2019年8月15日(木)
一日、デスクワーク。いろいろ片付けたけど、まだまだ終わらず。

2019年8月16日(金)
風が強かったけど、暗いうちから散歩。その後は「設定資料FILE」の構成。同じことを何度も書いているかもしれないけれど、同じ仕事を30年以上も続けると上手になるなあ。他にはAmazonのへの搬入スケジュールについての相談など。
作業をしながら「全裸監督」を最終話まで視聴した。僕的には黒木香さんの撮影のエピソードが、飛び抜けて面白かった。作品全体としては、テレビではできない内容だし、映画でやったとして、多くの人が観に行くかというと、そんなことはないだろう。その意味ではネット配信ならではの作品になっている。今後、このくらいの企画と作り込みの作品が連発されるようになるのだろうか。
Amazon Prime Videoで「LUCY/ルーシー」を観た。最初はAmazonのオリジナルかと思ったけど、2014年に公開された映画なのね。『GHOST IN THE SHELL』に似ていることについては、wikiでも指摘されていた。『モブサイコ100』と似ているのは偶然? それとも両作がお手本とした作品があるのだろうか。
15時からある方と早すぎる晩ご飯。そして、早めに就寝。

2019年8月17日(土)
暗いうちから散歩。昼間はデスクワークと昼寝。オールナイト前に、Blu-rayソフトで『リトル・ニモ』月岡貞夫版のパイロットフィルムを観る。4分×2本で計8分かな。テレコム版(近藤喜文×友永和秀版)、出崎統版よりも原作に忠実。作画は普通。月岡貞夫版はペンシルテストのようなものだという説と、セルアニメで90秒のものが3本あるという説を聞いていたけど、どれも違った。夜はオールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol.118 『この世界の片隅に』三度目の夏」に。

以下はトークで語られたことのメモ
・『リトル・ニモ』の近藤喜文×友永和秀版パイロットフィルムは、近藤喜文さんが監督だった時期に制作したもの。高畑さんが監督だった時代のイメージを利用している。具体的に言うと、高畑監督時代に友永さんが描いた絵コンテがもとになっている。足りないカット等は片渕さんがコンテを描いている。
・近藤喜文×友永和秀版パイロットフィルムは、スタッフがアメリカ研修で学んだことをかたちにするために作った習作であり、「こういった映画を作るぞ」というプランをかたちにするのものではない。
・同パイロットフィルムは近藤喜文さんが映画のプランを組み立てる間に、手があいたスタッフが作ったものであり、近藤さんは「夜空の色はこうしたい」といった意見は言っているが、制作にはほとんど参加していない。
・これは前に取材でも話題になっているが、近藤喜文×友永和秀版パイロットフィルムはカメラを横にして撮影し、フィルムの1コマの面積を大きくした70ミリフィルムで制作されている。当時、『リトル・ニモ』の本編を70ミリ作品にすることだけは決まっていた。
・70ミリで制作するにあたって、トレスマシンではなく、ゼロックスを使用した。