COLUMN

第624回 『コップクラフト』いろいろ

放映が始まるといっきに駆け抜けるように納品。
納品に次ぐ納品。これがTVシリーズです!

 ホン読み(脚本打ち合わせ)が毎週、コンテが毎週、演出ほか各セクションの打ち合わせが毎週、そして画を作ってる真っ最中でどんだけ不完全な画でも否応なく始まるカッティング(編集)・アフレコ・ダビングが毎週。で、締めはV編(納品)! ま、いつものことです。『コップクラフト』も例外ではありません。あまりの忙しさに詳しい説明をし損ねてましたが、今回の『コップクラフト』の監督のお話をいただいたのは『ユリシーズ』が決まってほどなくして、だったかと。で、仕事は故意に重ねない主義なので

『ユリシーズ』のホン読みが終わらない限り『コップクラフト』のホンは読めないし、『ユリシーズ』のコンテを全話出し切らないうちは『コップクラフト』のコンテには入れません! それでもいいですか?

と。しかしこう言って引き受けたとしても、現場の状況次第ではどうしてもそう都合よくはことが運ばないというのはよくある話で、今回は前作『ユリシーズ』の制作が少々てこずってしまい俺自身もガタガタ。まあ『ユリシーズ』は制作がミルパンセではないので、作画云々の直接ダメージはなかったのですが、板垣個人のスケジュール管理がボロボロとゆーありさま(汗)。
 そんな中でなんとか今作もほぼ全話コンテです。吸血鬼編、4話Bパート〜5話の1本半分のみ先に助監督に振ってから、それに全面的な直しを入れましたが、それ以外はすべて自分のコンテ。すべての話数に思い入れがあります。まず第1話、海外ドラマ風のセリフまわしを監督自身も楽しみつつコンテを切りました。マトバから見たティラナ(Aパートラスト)と、そのティラナから見た地球の様々な文化を彼女の主観から描くことにテーマを置いてたと思います。マトバの煙草にむせるティラナのくだりは、脚本にはなく、俺がアドリブで足したところでした。あ、1話のコンテはBD1巻の特典で付くらしいですね。じゃ、そちらを見てください!
 で、続いて第2話、と思ったところで時間切れです。ちなみに『ベルセルク』『WUG新章』『ユリシーズ』に続き、またコンテムービーを近々お見せできそうです。もう少々お待ちください!