COLUMN

アニメ様の『タイトル未定』
207 アニメ様日記 2019年5月12日(日)

2019年5月12日(日)
この日も半休のつもりで昼風呂に入ったり、昼寝をしたり。作業としては資料の読み込みの続き。夕方、ワイフと一緒に、吉松さんのマンションへ。4K Blu-ray+プロジェクター+100インチスクリーンの組み合わせでアニメを観せてもらった。『マモー編』『スペースアドベンチャー コブラ』『あしたのジョー2[劇場版]』『GHOST IN THE SHELL』『イノセンス』のそれぞれ一部を視聴。セル画時代のほうが画質向上の恩恵はあるのだけど、4Kの『イノセンス』もかなりよい。それから、セル画時代の4Kはまだまだよくなる伸びしろがあると思った。4Kではないけれど、プロジェクターで観た『リラックマとカオルさん』が相当によかった。質感が凄い。

2019年5月13日(月)
午前中はデスクワーク。書籍の企画書を2本書く。それから取材の予習。13時から試写で『プロメア』を観る。「アニメ様日記」は日記であるのだが、『プロメア』についてはこの日に感じたことではなく、後日考えたことも併せて書く。初見時は今までの今石作品と似た展開、似たモチーフが続出するので面食らってしまった。後になって、今石洋之の集大成と考えればいいのだろうと思うようになった。『ルパン三世 カリオストロの城』が公開された時に、東映長編時代からの宮崎駿の仕事を知っている人達が「同じことをやっている」と思ったと、宮崎さんのインタビューで読んだ記憶がある。それと同じなのだろう。『カリオストロの城』という作品の価値について考えるのに、それが過去の作品と似ているかどうかは重要なことではないはずだ。僕が『カリオストロの城』に感動したように、若いファンも『プロメア』に感銘を受けるのではないか。『プロメア』は現在のアニメーションでは珍しい痛快娯楽作であり、男性キャラクターに今石作品としては新味があった。アクションシーンの作り込みは素晴らしく、ある意味においては、日本のメカアニメの最高峰と言えるはずだ。他にも色々と思うところはあるけれど、それについてはまたの機会に。

2019年5月14日(火)
事務所でデスクワーク。

2019年5月15日(水)
「アニメスタイル015」の取材の3本立て。取材に立ち合ったメーカーの方が、作品のこともクリエイターのことも大好きな感じで、心地のよい取材となった。訳あって『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』のDVD BOXを購入した。Blu-ray BOXではなく、DVD BOXである。僕は『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』の映像ソフトを何度購入したのだろうか。

2019年5月16日(木)
デスクワーク。『さらざんまい』を1話から観た。続けて他の深夜アニメを。夕方はMacBookを持って帰って、マンションで休みつつ作業。

2019年5月17日(金)
午前中、デスクワーク。昼から『海獣の子供』試写。大変な仕上がりの映画だった。作画も美術も凄まじいほどの完成度。今年のアニメ映画で何番目ではなく、今までの全てのアニメーション映画で何番目か、というレベルだ。話を「理解する」映画ではなく、「感じる」映画なのだと思うが、原作をどのように整理したのかが気になる。原作を読むことにしよう。試写帰りに、買い物で外出していたワイフと合流して、神田の居酒屋で早めの晩飯。事務所に戻って社内打ち合わせ。渡辺歩監督に感想のメールを送ったら、すぐに返事がきた。

2019年5月18日(土)
午前中はたっぷりウォーキング。『海獣の子供』の原作を読み始める。午後は「『アニメ制作者たちの方法』刊行記念 井上俊之×原口正宏×高瀬康司 トークイベント」に。井上さんも原口さんも話し出したら止まらないタイプで、この2人が一緒に壇上にあがったらどうなるのだろうか、というのを確認するのが主な目的だった。結論としては原口さんは井上さんのフォローに回っていた。そして、原口さんはフォローに回ったほうが実力を発揮するのではないかと思った。
夜はオールナイト「新文芸坐×アニメスタイル セレクションvol. 115 スクリーンで観る『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日』」。その前に、トークで話題になるかもしれないので、サブキャラクターの名前を確認した。「悪事を仕留める矢の数々は、腕に習った小李広」と言うのが「鎮三山の黄信(ちんざんさんのこうしん)/納谷六朗」で、「恐れはいらぬぞ、鎮三山」が「小李広の花栄(しょうりこうのかえい)/大塚明夫」。「腕に習った小李広」と言っているのが「小李広」ではなくて「黄信」だというあたりが、間違えやすいポイントだ。「そうはいかぬぞ、血風連! 命知らずはかかってきやがれ!」が「立地太歳・阮少二(りっちたいさい・げんしょうじ)/大塚芳忠」「短命二郎・阮少五(たんめいじろう・げんしょうご)/佐藤浩之」「活閻羅・阮少七(かつえんら・げんしょうしち)/千葉一伸」で、この3人が阮三兄弟。「狙った獲物は逃がさぬと」が「双尾蠍の解宝(そうびかつのかいほう)/関智一」で、「二人の後には悪は残さず」が「両頭蛇の解珍(りょうとうだのかいちん)」。その前に「後れを取るな、解珍! 解宝!」と言っているのが「小覇王・周通(しょうはおう しょうつう)/緒方賢一」。ここまで確認しておきながら、トークで僕は、十傑集の樊瑞の名前を言い間違ってしまった。
話は前後するが、今回のトークのゲストは音響監督の本田保則さん。本田さんとお目にかかるのは、20年以上前の『天地無用!』の取材以来だったのだけど、僕のことを覚えていてくださった。トークでは貴重な話をいくつもうかがうことができた。中でも興味深かったのが、アフレコ時に今川泰宏監督が役者に渡していたメモの話だ。プロデューサーの山木泰人さんにも来場。トークにも途中から参加していただいた。