COLUMN

第570回 『バキ』と『キャプテン翼』

 今年4月から『キャプテン翼』、7月から『バキ』が放映中で、なんとなく嬉しい板垣です。なぜなら自分がテレコムを辞めて、演出デビューが2001年の『グラップラー刃牙』で、その後が同じグループ・タック制作繋がりの2002年版『キャプテン翼』。演出駆け出しの頃に関わった『バキ』と『翼』が10数年振り、しかも同時期に観られるなんて、なんか素敵な話。本当は時間があったら、それぞれ1本ずつお手伝いさせてほしいとこなんですが、現状を鑑みるとそうもいきません(汗)ので、今回は一視聴者として楽しませていただきたいと思います。
 まず『バキ』! 俺自身は基本スポ根や格闘ものも大好きです。今回の『バキ』は2001年の『グラップラー刃牙』の時より原作の絵に近くて、それはキャラだけでなく、画作り的な部分も非常に板垣恵介先生ワールドを再現できてると思いました。特にオープニングは格好よすぎ! 「最大トーナメント編」なのも個人的に痺れました! ジャック・ハンマーは、自分も2001年版『刃牙』で描いたんですが(#40「明日を捨てた男」)、凄えカッコイイんですよね。今回のオープニング、口内カメラのカットとか怖くていい! うーん描きたかった! 今シリーズの「最凶死刑囚編」は連載当時
、毎週楽しく読んでました。ていうかアニメ業界内に『バキ』ファンて本当多いですね! 今回『バキ』の監督は平野俊貴さん。お会いしたことはありませんが、平野監督と言えば『戦え!! イクサー1』! OVAバブルのころ観ましたし、BD買いました。
 ちなみに自分の演出デビューは、2001年版『刃牙』#22「両雄激突!」で1本目は処置(演出)のみ。2本目#28「オーガ降臨」以降(#34「ファイティング・キッズ」と#40)は全てコンテ・演出。あと#09「訣別」は原画で参加したはずです。初めてコンテを描かせてもらえた『刃牙』はとても嬉しくて、小田部羊一先生とお食事に行った際、「先生、僕コンテ描いたんですよ!」とお見せしたところ、


 まずタイトルが読みにくかったようでした。続いて「えっ!? 板垣くん、演出志望だったの?」と。
 で、『キャプテン翼』! こちらは4度目? OVAの『新』を入れると5度目のアニメ化でしょうか。最初のTVシリーズは自分が小学生のころ、OVAの『新キャプテン翼』は中学でOVAバブル期。次の『キャプテン翼J』は学校を卒業してテレコムに入ったころ。そして2002年版『キャプテン翼』はフリーになってスタッフとして参加。自分サッカー部に入ったことは1度もないけど、『翼』の単行本は姉貴と一緒に全巻揃えたくらい好きだったので、2002年にコンテでの参加(#49「狙え! 10ゴール10アシスト」のみコンテ・演出・作監)は嬉しかったのを憶えています。今回の新シリーズも時間があったら参加したかった、てとこですみません!