COLUMN

133 アニメ様日記 2017年12月10日(日)~

2017年12月10日(日)
午前0時開場、午前0時30分開演のスケジュールで「第139回アニメスタイルイベント 長濵博史さんと朝まで『THE REFLECTION』!」を開催した。「映像を観ながら話すイベントをやりたい」と長濵さんから提案があって、企画したイベントだ。全話の映像を流すのが、当初のイベントのイメージで、それで深夜の開催となった。長濵さん以外の出演者は、アイガイ役の三上哲さん、キャラクターデザインの馬越嘉彦さん、シリーズディレクターのそ~とめこういちろうさん、動画検査の佐藤可奈子さん。イベントの構成としては各出演者のお話、映像を観ながらのトーク(記憶が正しければ1話~4話)、作品の総括、最終回の映像を観ながらのトークといったかたち。映像を観ながらのトークでは、設定にまつわる裏話が山ほど。作品の総括ではまさしく「ここだけの話」が語られた。小黒個人としては、クリエイターに話したいことがあり、それができる場を用意できたという意味において達成感のあるイベントとなった。 朝、池袋に戻る。夕方から事務所で打ち合わせ。

2017年12月11日(月)
『劇場版ポケットモンスター -2018-』のスタッフが発表となった。監督が矢嶋哲生さん。劇場版第1作から監督を務めてきた湯山邦彦さんはアニメーションスーパーバイザーに。キャラクターデザインが金子志津枝さんで、アニメーション制作はOLMとWIT STUDIO。矢嶋さんはTVシリーズ『ポケットモンスター XY』『同・XY&Z』で監督を務め、大変に見応えのある作品に仕上げていた。今回の劇場版にも期待だ。なお、彼の『ポケットモンスター XY』『同・XY&Z』の凄さを知りたい方は「アニメスタイル010」の特集をどうぞ。

2017年12月12日(火)
『3月のライオン』の第2期を最新話数までまとめて観る。面白いし、よくできている。日常的な世界で、繊細に心情を描くのがシャフトとしては新鮮だし、シャフトがこういった作品を手がけていることを嬉しいと感じる。事務所に「アニメスタイル012」の見本が届く。これで通算20冊目の雑誌「アニメスタイル」だ。

2017年12月13日(水)
「磯光雄 Flip Book[vol.2]」の入稿日。事務所から離れるわけにいかず、細田守監督の最新作発表会に行くことができなかった。デザインのプリントアウトで「磯光雄 Flip Book[vol.2]」のサンプルを計3バージョン作る。念のために書いておくと、サンプルを作ったのは僕ではなくて、事務所のスタッフ。
 DVDBOXで『ハッスルパンチ』の残りの話数を観た。全話を観て、気になったことがあるので記しておく。僕は「この人に話を聞きたい」の第28回で西沢信孝さんに取材をしている。取材をしたのは2000年12月8日だ。その記事の中で西沢さんのデビュー作である『ハッスルパンチ』の4話が話題になった。そのエピソードは森康二さんが作画監督で、原画に宮崎駿さんが入っていた。宮崎さんはポンポンとアイデアを出してきたそうで、西沢さんはそのアイデアを反映させて絵コンテの内容を変えたようだ。記事をまとめる時に『ハッスルパンチ』のそのエピソードをチェックしたかったのだが、当時はソフト化されておらず観ることはかなわなかった。西沢さんも、なかなか観返す機会がないが、もう一回観てみたいと語っていた。DVDBOXを観てみると、確かに4話「走れ!ポンコツカー」の作画監督は森康二さんだが、原画で宮崎さんはクレジットされていない。西沢さんがおっしゃっていた、宮崎さんがアイデアを出したエピソードは16話「あこがれの外国旅行」ではないだろうか。この話も西沢さんの演出で、森康二さんの作監。宮崎さんが原画でクレジットされており、彼がアイデアを出したのではないかと思しき場面がある。

2017年12月14日(木)
バンダイチャンネルの「【期間限定】機動戦士ガンダム サンダーボルト+Twilight AXIS 劇場上映記念パック」で『機動戦士ガンダム Twilight AXIS 赤き残影』を観る。ちょっと確認したいことがあって、Amazonビデオで「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を観る。TwitterのPeingというサービスで、質問に答えているうちにその流れで、僕の脚本のファンだという方からメールをもらった。作品は『新ビックリマン』だ。嬉しいなあ。

2017年12月15日(金)
「新海誠展」に行く。イベント全体がきちんとプロデュースされているのがよかった。コンセプトがしっかりしていて、それを貫いている。新海監督の作品についてあまり知らない人が見ても、そのよさがしっかり伝わる構成であり、その意味で画期的によくできた展示会だった。
 個々の展示については、まず館内で上映されている本編映像がいい。場面のセレクトがいいし、さらに4K化しているのかモニターの調整のせいなのか、より映像が鮮やかになっていた印象だった。他によいと思ったのは『秒速5センチメートル』の「背景美術の制作過程」、同じくロケハン写真と美術背景と場面カットの比較、それから『君の名は。』の監督指示(監督修正)だ。

2017年12月16日(土)
「アニメスタイル012」の発売日。近くの書店やアニメショップに行って、販売されていることを確認する。

 脚本家の島田満さんが亡くなったことを知る(ご遺族の方がツイートされたのは12月15日の19時)。僕にとって、島田さんの代表作は『Dr.スランプ アラレちゃん』だ。『アラレちゃん』における島田さんの作品は魅力的だった。その仕事に触れることがなければ、自分が脚本を書く事もなかったかもしれない。作品だけでなく、ご本人も素敵な方だった。心よりご冥福をお祈り致します。