COLUMN

128 アニメ様日記 2017年11月5日(日)~

2017年11月5日(日)
三連休3日目。午前2時に事務所へ入り、昼まで「アニメスタイル012」のページ構成。ある作品の美術設定(線画)を見て、ニヤニヤする。作業をしつつ、アニマックスの『無敵超人ザンボット3』の一挙放送を観る。映像が綺麗だなあ。ロボットアニメのコクピット内のカットだと、金田伊功さん作画の勝平が一番好きだ。それを確信した。昼過ぎから、TOHOシネマズ新宿で「ブレードランナー 2049」を観る。予想していたのとは随分違ったけれど、楽しめた。雰囲気が魅力の映画だと思った。

2017年11月6日(月)
11時に有楽町方面で打ち合わせ、事務所に戻って打ち合わせが2件、15時から西武池袋線方面で打ち合わせ。有楽町方面と西武池袋線方面の打ち合わせは来年の仕事関連。
 朝のTOKYO MXの『あらいぐまラスカル』が最終回を迎えた。今回の再放送では、ほぼ全話をリアルタイムで視聴した。毎日観ているうちに、朝ドラ視聴と同様に、登場人物が「隣人」のように思えてきた。物語を楽しむというよりは、隣人の言動に触れてなごんだり、感心したりする感じ。通常の意味での「物語を楽しむ」というのとはちょっと違うかもしれないが、楽しんだことは間違いない。
 アニマックスの『空手バカ一代』の1、2話を録画で観たのだけど、これも猛烈に綺麗。セルの部分はまるでデジタルアニメのようだ。1話は木村圭市郎さんの色が濃い。2話とあわせて、原画は『タイガーマスク』経験者ばかり。3話から変わっていくんだろうなあ。

2017年11月7日(火)
11時から西武新宿方面で打ち合わせ。これも来年の仕事関連。TOKYO MXの『あらいぐまラスカル』の後番組は『ペリーヌ物語』。『ラスカル』からの流れで改めて1話を観ると、これが実に新鮮。「新番組が始まったぞ」という感じ。 ペリーヌのキャラ立ても、お母さんとの対比も抜群に上手い。デザインや色遣いも『ラスカル』とは随分違う。全体に華やかで楽しい。やっぱり『ラスカル』はストイックな作品だったんだなあ。

2017年11月8日(水)
荻窪方面で打ち合わせ。その後、吉松さんと焼き鳥屋で「アニメスタイル012」の取材。イベントの予習で『あずきちゃん』再視聴中。35話「ナイショ! 赤ちゃんはどこからくるの」はキスしたことで、あずきを妊娠させたかもしれないと思い込んだ勇之助が「子どもが産まれたら一緒に育てよう」と言い出す話。絶好調の面白さ。演出・絵コンテは片渕須直さん。そのひとつ前が34話「ドキッ! 夢のなかのファーストキス」。あずきと勇之助のキスのところも凄いんだけど、キスをした後、家でずっと呆然としているあずきがいい。エピローグの落とし方も上手い。演出・桜井弘明さんの大ホームラン。

2017年11月9日(木)
TOKYO MXの『ペリーヌ物語』3話は「おかあさんのちから」。1話と2話で頼りなかったペリーヌの母親が、旅先でお世話になった家のお産で頼れるところを見せる。この構成も上手いなあ。仕事の方は「アニメスタイル012」と「設定資料FILE」でてんやわんや。ベテランアニメーターの激ウマ原画を見てニヤニヤする。

2017年11月10日(金)
12月のオールナイトを発表した。次回のオールナイトは「新文芸坐×アニメスタイル セレクションVol. 99 湯浅政明の長編アニメーション!」。99回目を湯浅さんの特集にしたくて、それを実現するために11月のオールナイトを休んだのである。

2017年11月11日(土)
イベントの予習で『あずきちゃん』を再視聴中。『あずきちゃん』3期1話から大迫みちえという名の校長先生が赴任してくる。初老の女性で、かつてはケンの父の担任でもあった。演じている伊倉一恵さんは当時三十代半ばだったはずで、初老の役を演じるにはかなり若い。ケンの父は小学校の時に、大迫先生にラブレターを出しており、今でもそれを照れくさく思っている。そんなエピソードもあるので、初老ではあるけれど、どこか若さを感じさせるキャスティングを狙ったのだろう。野山けい子(あずきの母)が皆口裕子さん、ケンの父が矢尾一樹さん。お二人とも当時、三十代半ば。お母さん役、お父さん役をやっておかしくないともいえるけれど、やはり若々しいお母さん、お父さんを狙ったキャスティングだったはずだ。伊倉さんのキャスティングは、皆口さん、矢尾さんのキャスティングの延長線上にあるのだろう。そのあたりのことを丸山正雄さんに聞きたいけど、覚えていないだろなあ。
 同じく89話「再会! お父さんの恋人」に登場する美千代は、あずきの父親の初恋相手だったのではないかと思われた女性。千住で「たぬき」というもんじゃ焼き屋をやっている気っ風のいい人で、演じているのは兵藤まこさん。息子の貞男は、トモちゃん役でレギュラーのゆきじさんが演じた。両役とも存在感たっふりで、ナイスキャスティング。貞男は主人公感あり。