COLUMN

118 アニメ様日記 2017年8月27日(日)~

2017年8月27日(日)
アニメではなくて、実写映画の話。新文芸坐で「赤ちょうちん」(1974)と「妹」(1974)を観た。企画「没後20年 藤田敏八 あの夏の光と影は ~ 20年目の八月」の1日目で秋吉久美子さん、樋口尚文さんのトーク付き。両作とも流行歌をモチーフにした作品だが、いずれもタイトルや元の歌からイメージするものとはかなり違った映画に仕上がっており、それが刺激的だった。特に「妹」はギラギラしていてよかった。ラストのぶっとび方も鮮烈。「赤ちょうちん」は序盤で「えっ、こんな話なの?」と驚いた。藤田敏八監督の作品は「修羅雪姫」「野良猫ロック ワイルド・ジャンボ」くらいしか観ていなかったのだけど、もっと観たいと思った。新文芸坐のロビーには当時のプレスリリースのコピーが貼られていた。おそらくプレスリリースのあらすじは脚本からおこしたものだろう。映画の内容で「?」と思った部分はプレスリリースのあらすじにはない。例えば、「赤ちょうちん」で唐突に「マスターの義眼」というアイテムが出てきて、主人公が酒と一緒に飲んでしまうのだが、あらすじだと「マスターの義眼」に相当するアイテムは「瀬戸物のかけら」なのである。「妹」だと、あらすじでは天ぷら屋の娘の「高校生のみどり」となっているキャラクターが、完成した映画では仕事のしすぎで腱鞘炎になったソープ嬢(劇中のセリフだと、ソープではなくてトルコ)になっている。いや、長くなるのでここでは書かないけれど、「妹」のラストを含めて、もっと大きなところも違っている。脚本はおそらく、モチーフになった流行歌に近い内容で、そこから演出で飛躍させていったのだろう。その飛躍に僕は惹かれた。トークは秋吉久美子さんのお話が楽しかった。映画で裸になることに関して、監督や助監督に「脱ぐんだぞ、お前、分かっているのか」と言われたけれど、彼女自身は洋画で女優が脱ぐ映画を観て、憧れを感じていたので「この人達、なに言ってんだろ」と思った。その話が素敵だった。

2017年8月28日(月)
録画で8月26日に放映された『ONE PIECE エピソードオブ東の海 ~ルフィと4人の仲間の大冒険!!~』を観る。全編新作画で、話も詰まっている。リアルタイムで家族で一緒に観ると、より楽しいんだろうなあ。

2017年8月29日(火)
朝に帯枠でやっていた『けものフレンズ』の再放送が終わった。何だかんだで毎日観ていた。子どもが観ても問題ない内容ではあるのだけど、朝観るのはちょっとシュールだった。
 録画で『女川中バスケ部 5人の夏』を観る。今年の夏は『きみの声をとどけたい』と『女川中バスケ部 5人の夏』で、青木俊直さんがキャラクターをデザインしたアニメが2本あったことを記憶に留めたい。その後、dアニメストアで『劇場版総集編 前編「ハイキュー!! 終わりと始まり」』を流しながら、デスクワーク。その後はWOWOWの「Kalafina Arena LIVE 2016 at 日本武道館」。と書いていると、まともに仕事をしているように思えないけど、していますよ。
 午後は平田敏夫さん関連の素材を回収するために外出。

2017年8月30日(水)
dアニメストアで『劇場版総集編 後編「ハイキュー!! 勝者と敗者」』を観る。今日も平田敏夫さん関連の素材を回収するために外出。
 昨夜の「ルパン三世ベストセレクション」では16位を放映。『PARTIII』1話「金塊はルパンを呼ぶ」だった。えー、これは意外。しかし、『PARTIII』が強いなあ。これより上位に「ニューヨークの幽霊」や「カクテルの名は復讐」が入るのだろうか。ちなみに僕の中では「金塊はルパンを呼ぶ」は『新ルパン』ではまだ若手で端役をやっていた若本規夫さん(当時は紀昭)が、ルパンのライバルに昇格したエピソードだ。
 池袋ジュンク堂書店池袋本店で、アニメ関連本をごっそり買い込む。「Little Witch Academia Chronicle ―リトルウィッチアカデミア クロニクル―」「今 敏 絵コンテ集 パプリカ 」「芸術新潮」等。まだパラパラとめくっただけだけど「Little Witch Academia Chronicle」は充実の1冊。記録全集のボリュームとムックのパラエティ感を両立させている。判型を活かした構成も上手い。「芸術新潮」の特集は「日本のアニメベスト10」。

2017年8月31日(木)
新文芸坐で、9時45分からの回で「八月の濡れた砂」を観る。先日の「赤ちょうちん」「妹」と同じく、プログラム「没後20年 藤田敏八 あの夏の光と影は ~ 20年目の八月」の1本。これが公開当時、若者に支持されたのはよく分かる。脚本は三人で書いていて、大和屋竺は最後にクレジットされているのだけど、その個性が色濃く出ているのではないかと思った。
 ネットで購入した古本「びあシネマクラブ 1996洋画篇」が届く。僕が愛読したのはもっと古い年度の「びあシネマクラブ」なんだけど、それでも懐かしい。必要な情報だけが書かれている作品紹介がいい。書籍づくりで刺激を受けたくて購入したのである。
 それから、確認することがあって『あずきちゃん』の途中の話を再生。あんまり面白いので連続視聴してしまう。

2017年9月1日(金)
打ち合わせ中に「アイジーで、タイトルに『夜』が入る作品って何でしたっけ」と聞かれて、瞬時に『赤い光弾ジリオン 歌姫夜曲』と答えた。最近はこれくらいでは「さすがですね」と言ってもらえない。
 昨日の続きで、『あずきちゃん』を1話から観はじめる。序盤はちょっと大人しい感じ。DVD-BOXの解説書を作った時も、こうして頭から観たなあ。今観るとヨーコちゃんが可愛い。本放送の頃は苦手なタイプだったかもしれない。今だと、勇之助みたいな男の子もいそうだなあと思える。15話であずきは交換日記を通じて勇之助が借金を申し込んできたと勘違いするのだけど、それへの対応が大人びていてやたらと可笑しい。これも雪室マジック。

2017年9月2日(土)
早めの時間に谷口淳一郎さんと吉松さんと打ち合わせしつつ、晩飯。吉松さんはその後、マッドハウスに戻って仕事。0時頃に新宿に行って『魔神英雄伝ワタル』のイベントに出演。またマッドハウスに戻って日曜の午前中まで仕事をして、アイドルのコンサートで広島に行ったらしい。タフだなあ。