COLUMN

108 アニメ様日記 2017年6月18日~

2017年6月18日(日)
アヌシー国際アニメ映画祭で『夜明け告げるルーのうた』が長編部門クリスタル賞(グランプリ)を受賞、『この世界の片隅に』が審査員賞を受賞。日本人の作品が長編部門クリスタル賞を受賞したのは1995年の『平成狸合戦ぽんぽこ』以来で、22年ぶりだそうだ。これは嬉しい。  録画したDlifeの『X-ファイル2016』で『ファイアボール』のステーションIDを確認。3DCGのTVアニメ『ファイアボール』の新作映像である。ステーションIDは2種類あったけど、あっいう間に終了。『ファイアボール』の旧シリーズを観直したくなった。
 同じく録画で、チャンネルNECOで放映された『チエちゃん奮戦記 じゃりン子チエ』を観る。1991年放映の『じゃりン子チエ』第2シリーズで、関東地方では未放映。僕も動いている映像を観るのはこれが初めてかもしれない。映像を観るのは初めてかもしれないけれど、当時、「アニメージュ」で記事を担当した。1話が始まった途端に、セル撮した記憶のあるカットがあった。このシリーズの各話に片渕さんが参加しているんだけど、ネットの情報によると、序盤は絵コンテだけの参加なのね。

2017年6月19日(月)
早朝、24時間営業の山下書店大塚店で『ユーリ!!! on ICE』公式ファンブックと公式ガイドブックを購入。早めに買っておかないと買い逃すかもしれないと思ったのだ。ところで、アニメムックをファンブックと呼称するのはいつから定着したのだろうか。文句をつけるわけではないけれど、気になる。
 カップヌードルCM「HUNGRY DAYS 魔女の宅急便 篇」が公開された。緻密な背景と凝った光の処理。流行のスタイルを、さらに過剰にした画作りだ。作り手が映像の完成形を設定して、それを作り切っているという印象。

2017年6月20日(火)
『進撃の巨人』Season 2の後半を一気観。きちんと検証したわけでなく、印象だけで書いてしまうと、物語の語り方も、画作りも前シリーズから少し変わっているのではないか。物語についてはピリピリした感じが軽減されたのではないか。画作りに関しては、意識して変えたのだろうと思う。『正解するカド』も最新話まで、数話分まとめて観る。シリーズ終盤にきて、お話がキャラクター寄りになった。悪くはないけど、ちょっと意外だった。

2017年6月21日(水)
『エロマンガ先生』11話「二人の出会いと未来の兄妹」を観る。竹下良平監督が絵コンテ、演出を担当した回で、とにかくよくできている。それから1カット、とんでもない構図があった。  仕事の合間に「サムシネ!」第267回 1983年の吉松孝博(6)で話題になった、学生時代の吉松さんの写真が載った記事を探すため、当時の「アニメージュ」「マイアニメ」「ジ・アニメ」をひっくり返すが見当たらない。それを探す過程で、吉松さんが初めて表紙を描いたアニメ誌を発見する。

2017年6月22日(木)
TOKYO MXの再放送で『母をたずねて三千里』7話「屋根の上の小さな海」。ロッシ一家の引っ越しと、屋根の上でのフィオリーナとの交流。印象的なエピソードだし、高畑勲監督が『母をたずねて三千里』で絵コンテを担当した最後のエピソード。キャラクターの感情の流れもよいし、「いい画」が山ほどある。
 午後は井上デザインさんで夏に出る書籍の打ち合わせ。

2017年6月23日(金)
Amazonから「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標 原画集」が届く。最初に『次元大介の墓標』を観た時に「あ、このあたりカットの作監修正原画が見たい」と思った原画がきっちりと載っていて、満足。具体的に言うと、見たいと思ったのは、S.25/C.035のルパンのアップなど。

2017年6月24日(土)
公開初日早朝の新宿ピカデリーで『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち/第二章 発進篇』を観る。アクションの見せ場が何度もあって、その意味でサービス満点。発進シーンを含めて押さえるべきところをちゃんと押さえているのも嬉しい。1978年の『さらば宇宙戦艦ヤマト ―愛の戦士たち―』で、いくらなんでも地球の復興が早すぎないかと思ったのだけど、その疑問が40年近く経って解消された。『宇宙戦艦ヤマト2199』との比較で言うと、『2199』にあったオーラのようなものがなくなっている。女子クルーを何人も降ろして「女の子が大勢乗っている艦」でなくしたのも、オーラがなくなった理由のひとつだろう。オーラがなくなっているからといって、作品に魅力がなくなっているわけではない。