COLUMN

第512回 ミルパンセの歩み

 (前回のつづき)で、南阿佐ヶ谷のワンルームに白石と自分、そして専門学校の新卒2人でスタートしたミルパンセ。どこかの会社から何人か引っこ抜いて作った会社ではないため、最初は俺がライデンフィルムやフッズエンタテインメントやMAPPAで監督やって走り回ってる傍ら、新人・三宅舞子さんの動画から面倒を見て、第16面の温泉卓球回で半分原画、裏面(特典)のトマリンとボーリック星人回でメイン原画(実は板垣の作監修正はほとんどのってません)、第3期になると彼女に渡す話数はほぼ全面的にお任せになっていきました。その頃ミルパンセは「制作協力」のクレジットで、そーこーしてる間にスタジオも田無に移転し、宮村明さん、鴨田航くんら新人を数名増やして2年めに突入。『人生』や『Wake Up, Girls!(第1期)』をやってる頃、『てーきゅう(第4期)』&『高宮なすのです!』の話がきたと記憶してます。と同時期に『Wake Up, Girls!(第2期・青春の影/Beyond the Bottom)』の共同制作の話がきた事により、新人育成の場を田無に残し、荻窪に出張。その荻窪で面接をして採用になったのが菅原美幸さん(現在『Wake Up, Girls! 〜新章』のキャラクターデザイン担当)で、線も綺麗で形もしっかりとれてたので『てーきゅう』『なすの』『WUG!』の動画チェックを任せ、「人に教えられるようになりたい」との自身の希望もあり、新人動画の指導もお願いすることになりました。そしてまた数名の新人を採用したところで、田無にもう少し広い物件を探してたらなぜか武蔵関にたどり着き3年め。『てーきゅう』第5〜7期、『ベルセルク(第1期)』へ続きます。新人が原画・動画をやり、三宅・菅原で作監(作画チーフ)体制へ。
 そして4年めの去年、

 ペーパレス!! 最初5人にデジタル作画の研修を受けにいってもらい、戻ってきて社内のスタッフに教えてもらおうと! 数名ずつ1年かけてゆっくりと考えていたのですが、数日間皆の様子を見ていたところ、アナログ組がたった5人のデジタル組より圧倒的に分が悪い事が分かり、全員一気にデジタル作画へ切り替えました。そーゆー決断は即決です、我々!

50〜100人以上になると、一気にPCを揃えるなぞ我が社の財政的に絶対無理!
20人前後の時に多少無理してでも切り替えた方が後で楽になるはず!!

と。よって『てーきゅう(第7期)』途中から紙と鉛筆は使わずデジタル作画です! ちなみに『てーきゅう』は第4期から「制作元請け」、第8期と『うさかめ』は「製作」になりました。
 そんなわけでミルパンセの成長の傍らにはいつも『てーきゅう』があるのです! 次は何やろーかな? と。