COLUMN

第476回 OPは「蝕」

 と決まった『ベルセルク』のオープニング。これは今回のシリーズの打ち合わせ——ホン読み開始間もなくの2014年末の話でした。そもそも自分は監督を引き受ける際、まず最初に

「黄金時代篇」からやりたい!

と訴えたのですが、プロデューサー各氏より「(何度もアニメ化したから)もういいですよ〜」「(話を)先へ進めましょう!」と。そもそも俺に監督の話がきた時点で、深見真さんの構成案が提出されており、そこではすでに「ロストチルドレン篇」も外す事も決定していました。それに対しても自分は「ロスチル篇やりたい〜」と申し出たのですが、「諸般の事情により云々」で却下。もちろんプロデューサーさんの仰る「事情」も理解しました、俺(いろいろ一言で言えない事情が大抵あるもんです)。
 で、気を取り直して「断罪篇」のアニメ化というわけです! ところが自分、気になったのが、

いきなり「断罪篇」では、ガッツの行動原理が分かりづらくなる!

という事。だからといって全てを説明していると時間(尺)が足りません。じゃあせめて90秒(ん? どっかでよく聞いた尺)で、

ガッツの凄まじい過去を説明できないまでも「感じて」もらおう!!

そんなOPでした。つまり、まだ主題歌がカゲもカタチもない時からなんとなく画はできていたのです。