COLUMN

第474回 作画の話をしようと思ったが

 前回の続きっぽい感じで作画の話。昔、かれこれ20数年前の仲間うちの話題は、ズバリ「CGにはない手描き作画の魅力とは何か?」。「『マンガ原作ファンが違和感を感じないように』程度がその魅力であるならば先はないよね!」と友人。一方、別の友人は「女の子は手描きがいい! 男なんかCGでいい!」とか。あと「ロボットも金田(伊功)作画みたいなのはCGじゃ無理じゃん」と言うロボアニメ好きの友人も。で、「手描き作画の魅力とは?」の疑義を呈した友人は、誰もがご存知の巨匠監督様の一言——これは1990年代の某アニメ映画のメイキングで発言された我々世代のアニメ人にとっては超有名な言葉(だと思う)、

人の手で描きおこされた動きは、その実感がこもっており、「あ、自分は普段こんな動きをしてる」と現実の世界に持ち帰るキッカケになるのではないか?

云々を持ち出し、その場では「なるほど!」と共感した自分。とにかく90年代といえば「アニメが映画になった年代」と俺が称するくらいインテリな発言をするアニメ監督が幅を利かせた時代(あくまで私見ですが)で、学のない我々にとって「○○監督が仰った言葉」は、その監督にヒット作があれば、ある程度威厳を感じてました。そーゆー、今思うと恥ずかしい時代の巨匠の発言を、現代の世に照らして再認識せず信じ切ってる方がいるのは困ります。つまり、