COLUMN

第467回 松さんの事

『迷い猫オーバーラン!』の原作者・松智洋先生が
お亡くなりになられました。とても残念です。

 『迷い猫』のアニメ化(2010年)の際、「各話監督制」なる大変珍しいシリーズ中、第1話監督という大役を仰せつかった自分に「キャラを守ってくれれば好きにやっていいです!」と松先生。脚本も各キャラの台詞、語尾以外はほぼそのままOKでした。当時先生が仰ったのは

原作者が過剰に口出しして上手くいったアニメを僕は知らない!

と。だからアニメ『迷い猫』における「シリーズ構成・松智洋」はあくまで原作者公認印であって、「シリーズ全体は実質メインライターの木村暢さんにお任せします」という姿勢でした。完成した1話をご覧になられて先生は「よくあれだけの内容入れましたね〜」と笑ってくださいました。「あれだけの内容」とはもちろん物量的にでしょう。そのくらい「速いぞ!」と仰りたかったのかと思います。
 『迷い猫』の後も矢吹健太朗先生と一緒に食事したりもしました。アニメ『ToLOVEる』のキャラクターデザイン・岡勇一さんも一緒でした。その時も自分と同世代(たしか板垣の1つ上)の松先生がずっとオタク話を繰り広げ過ぎて、自分より少し若い矢吹・岡両氏ドン引き、てな事もあったり(帰宅後、矢吹先生より「2人とも濃過ぎです!(笑)」とメールがきました)。
 最後にお会いしたのは去年、矢吹先生の結婚パーティでした。仕事を抜け出して普段着まんまで参加した俺を見つけ出し、「板垣さん!?」と声をかけてくださり、「板垣さん、どう見ても不審者ですよ〜(笑)」と大笑いされてました。

もっとゆっくりお話したかったです、松先生!
謹んでご冥福をお祈りします。