COLUMN

第389回 さらなる続き

 前回いろいろととっ散らかって終わり、変に誤解を招いたかもしれないので念のため。

別に俺は、軽々しく「監督(演出)になりたい!」とか言うなっ! って話をしてるのではありません! むしろ「夢を語らないヤツはダメだ!」と思ってるくらいです!

 実際、面接の際に夢を語らない方に「貴方、無理してアニメやる必要ないでしょう」と言ってたしなめた事があるくらい。ただ自分は

小説やマンガなどの個人創作と違って、大人数のスタッフを指揮して作る集団創作であるアニメや映画で「なぜ自分がその中心に立てるのか?」すら考えない人が監督やら演出やらができるとは思わない!

と言いたいんです。こう言うともっと具体的でしょう。つまり、

身近なスタッフの気持ちが分からないだけならまだしも、分かろうともしない人が、フィクションの中で動きまわるキャラクターたちの気持ちを知ろうとし制御できるとは思わない!

と。「他人の思いつかない物語(企画)」は、優れたライター(脚本家)なら作れます。「他人に描けないキャラクター」は敏腕アニメーターがいれば描けるし、「今まで見た事のないアングル・映像」も巧いコンテマンや撮影監督がいれば……。であるなら、「演出希望の貴方の取り柄は何?」それは究極、

「どのスタッフもやりたがらない面倒な下働き」と
「スタッフの指揮能力」

の2つしかあり得ないのです。他はぶっちゃけ替えがきくって事。逆にそれが理解できるなら、演出も監督もできるでしょう!