COLUMN

028 『スペース★ダンディ』と『残響のテロル』(2014年9月8日)

 昨夜放映された『スペース★ダンディ』もよかった。EPISODE23「恋人たちは トレンディじゃんよ」である。
 自分のことを忘れられない元カレをあきらめさせるため、スカーレットがダンディに恋人のふりをしてくれと頼みこむ。ありがちな出だしではあるのだけれど、あのダンディとスカーレットでそれをやるのがよい。アクション映画のビデオソフトで2人が意気投合する場面があるのだが、ちょっと野暮ったいところを含めて、いかにも彼ららしいし、『スペース★ダンディ』らしい(「さすがはチャック」のセリフがいい)。ほんの少しだけど、ダンディのダンディなところが見られたのもよかった。後半の大人っぽいタッチもよかった。普段、ぶっとんだ話ばかりやっているから、こういう話が際立つ。
 例によって作画も見どころたっぷり。小ネタも楽しい。この話のゲストメカは大河原邦男さんのデザインなのに、物語のあちこちに『マクロス』的だと感じられるところがあった。それを渡辺信一郎総監督のセルフパロディと受け止めるのは、穿ちすぎだろうか(渡辺信一郎監督は、河森正治総監督と共に『MACROSS PLUS』を手がけている)。
 渡辺監督といえば、現在もう1本のTVシリーズを手がけている。『残響のテロル』である。多作とはいえない彼が同時に2本のTVシリーズを担当するのは意外だが、単純に嬉しい。『スペース★ダンディ』と『残響のテロル』は物語の方向性も、アニメとしての作りもまるで違うが、どちらも渡辺監督らしさがある。そこも面白い。
 2作品とも最終回が近い。『スペース★ダンディ』が残りの話数でどんなことをやって驚かせてくれるのか、『残響のテロル』がどんなクライマックスを迎えるのか。それが楽しみだ。

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