COLUMN

第382回 ハイテンション!

『劇場版カードファイト!! ヴァンガード ネオンメサイア』(9月13日ロードショー!)
はなかなかのノンストップ・ムービーに仕上がっております!

 この間ダビング時のプレビューを観て「うわっ! 詰まってる!」と正直思いました。あ、ダビングというのは「音全般を録る」作業です。つまり、アフレコで録った役者さんたちの芝居(声)と劇伴(音楽)とSE(効果音)を画(フィルム)に貼付ける、「音」の完成版を作る工程。実はここで初めてフィルムの全貌が見えるのであって、「絵コンテですべてが見えてる」などと言ってる監督がいるとしたら、それは余程の天才かメッキが剥がれないように必死で取り繕ってる天才のフリをした凡人のどちらか? 大概は

と思ってるはずです!(あれ、俺だけ?) それほど、音の情報は目に見えない説得力があります。ちょくちょく語ってきたと思いますが、自分みたいなたまたま運良く監督をやらせてもらえてる凡人が、隅々まで計算して「うん、思ったとおり!」なんて事はあるわけありませんから!
 で今回、劇伴発注の際、音響監督さんが作曲家さんに

この作品の音響プランは「立ち止まらない!」だから

と仰ってました。俺の場合、音楽(劇伴)の発注は音響監督さんに任せる主義なので、この「立ち止まらない」は板垣のコンテを読んだ音監さんの感想でもあると思います。「このコンテを見る限り、板垣さんの作ろうとしてるフィルムってこうだよ!」と。だから、こないだのダビングは音監さんの監督に対する一種の批評と受け取る事ができるわけ。それが

うわっ! 詰まってる! まさにノンストップ・ムービーだ!!

と。皆さん、お楽しみにっ!