COLUMN

第377回 劇場とTV(1)

劇場作品の演出(監督)している今、自分なりに「映画」についてまとめてみましょう!

と言っても、映画全般に広げてしまうとあまりに果てしない話になってしまうので、自らのフィールドである「アニメ」——つまり「劇場アニメ」の話。業界の先輩方やアニメをちょっと知った映画評論家、その他映像インテリさんらは劇場アニメについて大概、

・画面が(TVより)大きいので尺の短いカットや速いカット割りは効かない!
・画面が(TVより)大きいのでアップ(寄りサイズ)は効かない!

と仰ります。ま、実際そのとおりだと思うし、俺自身もよく言います。ただ、これがマニュアル化して

ロング(引きサイズ)の長回し(カットを割らない)をする事こそが劇場アニメだ!

となるのはとても危険な方法論だと思うんです。演出(主にコンテ)が考えるべきは「このシーン、そのキャラクターの心情・シチュエーションを描く際、どんなアングル・カメラワーク・カット割りがいちばん相応しいか?」であって、先に

劇場だから全身フルサイズで!

が発想の源では観客に対して不親切な画になって退屈させてしまうのではないでしょうか? だから自分は後輩や今面倒見ている新人演出などに「本読んで(映像教本やマニュアルで)アニメ(これはもうフィルム全般)が作れると思うな!」とよく言うんです。

まず自分で考えて、自らの脳内で成立したならマニュアルなんか無視してやってみる事!
それが演出家と観客との間で新しい映像言語として認識されたなら文化の発展になるし、失敗したってそれも「負の道しるべ(失敗例)」として人々の頭に残るわけで、決して後退ではない!

と。画のサイズだけではありません。前述の「尺の短いカットや速いカット割り」もそう。「劇場だから速いカットは目が回る〜云々」って本当でしょうか? たしかに画面が大きいから目が追いつかないというのも分かるのですが、逆に言うとTVよりもずっと「画面と音」に集中できる視聴環境である事も事実なのだから、短い一瞬のカットも

感じて理解してくれる!

とも思うんです。スピードで言うなら正に『てーきゅう』などは最初

この速度で理解してもらえるのか(汗)!?

と心配しましたが、視聴者に伝わったら、ハイスピードも市民権を得られるし、アニメという文化自体が前進すると思うんです。だから、