COLUMN

第309回 アニメ『てーきゅう』の作り方(18)

 第9面の話の続き。

ウソつけ! この豚野郎がっ!!

って店長が恫喝するまで、まりもがボケ倒しまくるこの第9面。これも原作を読んだ時大好きになった話数で、よくまわりのスタッフに

と言って作ってました。これ、現実の話だったら「とんでもないバイトちゃんがやってきたもんだ(汗)」と呆れるでしょうが、マンガやアニメだと笑えるでしょ。すべてはまりもが可愛く描かれる事でチャラ! そう決めてかかったので、まりもの表情やポーズは原作と照らし合わせながら細心の注意を払って描きました。あとTシャツの「豚野郎」ロゴは実際の「豚野郎」のロゴの写真資料にあわせて全カット自分で修正しました。ロゴの描き方で胸の形・大きさを表現できるんです(これかなり重要ポイント)。そしてやっぱり花澤(香菜)さんのテンションは最高で、各ボケをちゃんとメリハリつけて芝居されてるので何度聴いても笑えるんです。「オープニングムービーはっ!?」の迫力や「仮病ってゆー病気で……」のキョトン、「本当は遊ぶ金欲しさです」の悪フザケ、「この豚ウチのオカンですわ〜」の泣き、「てな事がこないだあったんや〜」のアッケラカンととにかく飽きさせません。さすがです!
 あ、あと店長の声、最初ルーツ先生にお願いしたところ「荷が重すぎます(汗)!」と言われて、プロの役者さん(町田広和さん)にお願いしたんです。「ウソつけ! この豚野郎がっ!!」、早口で怒るの大変そうでした。演出的にこだわったところは「父が病気で〜」から「はぁ(ため息)」までを原作よりド正面(カメラ目線)でとらえてるところで、これもさっき(冒頭)の話

こんな可愛い目で訴えられたらなんでも許すしかないでしょっ!

って感じで描いてみたトコです。

第10面 先輩とウハウハザブーン

は風呂(銭湯)話。水着(第6面)に続く、アニメとしては結構メジャーなサービス話ですね。このあたりから、引き(ロング)のキャラの上にポンと寄り(アップ)の画がのっかる演出をちょくちょくやるようになったんだと思います。ワイプばっかでは飽きちゃうので。で、

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