COLUMN

第304回 アニメ『てーきゅう』の作り方(13)

 第5面の話の続き。冒頭のユリ、「ウ○コみたいに〜」の「ウ○コ」のイントネーションは渡部優衣さん(ユリ役)任せです。ご本人曰く「下品に聞こえないように」らしいです。「それはどうかしら?」と上からINするかなえは俺の(作画時の)アドリブ。そしてよーく聴くとコリコリいい音鳴らしてる肩の外れたまりもも気に入ってます。オープニング後のまりも「今ウチ縮んでへんかった?」は第3面より身長を気にしてるまりもなので表情(作画)と芝居(花澤さん)をやや喜んでる方向へ調整しました。あとカバディって自分もルールよく分かりません。さらに「ウィンブルドン養成ギプス(パンツ)」を脱ぐなすのは原作読んだ時痺れましたね。それに対して「もういいですよ、パンツじゃねーか!」とツッコむユリも可愛く、そのまま「……分かったでしょう? これからはもっと真面目に練習してくださいね」で片づけるユリもデタラメで面白いです。何が「分かった」んだか。でラスト、原作では我にかえったユリ「マンガとしてつまらんな……」はもちろん

「アニメとしてつまらんな……!」

に。あくまでこれは「アニメ版『てーきゅう』」だという事で。

第6面 先輩とウォーターワールド

アバンの「チラシ→サラシ→童(わらし)」のダジャレは原作どおりとはいえ、やや分かりにくい気が。「逮捕ーっ!」(花澤さんのアドリブ)の画、原作のコマよりもさらに厳密に身長をあわせた(まりもの身長は169cm)んですが、結局フレームから切られてましたね。「亀井戸ウォーターランド」の外観は

な感じで、美術の赤井文尚さん・二木佐友里さんらのとっても原作あわせのとてもいい仕事だと思います! で、この話数は

雨天でも明るく(基本白飛ばし)、
女の子たちの肌の色もノーマル(普段と同じ色)!

と美術さん・色彩設計(森博行)さんにお願いしました。『天元突破グレンラガン』6話の温泉回もそうだったし、現在制作中の『ヴァンキッシュド・クイーンズ』(『クイーンズブレイド』の新作で2013年3月29日発売)でも女子の肌の色に自分はこだわります。『グレン』の時も夜の露天風呂なのに女湯だけは「絶対夜色(たいがい青系)は肌に干渉させないように!」と言ったし、『ヴァンキッシュド・クイーンズ』でも、やはり見せ場は昼の野外にと決めてました。つまり、女子の肌はノーマル色(早い話肌色)でないとエロくないからです! 夜色(寒色系)やアブノーマル色にするとエロさが半減するんですね、やっぱり。だから『てーきゅう』の水着回も基本はノーマル色を譲るはずないし、撮影の石野敦夫君にも「雨は必要最小限にして肌を立てて」と。その上で作画時にはところどころ水滴を加える事で肌の立体感を出すようにしたり、プールサイドを走るまりもとかなえは、浮き輪で2人の足のつけ根を隠す事で左右の足を兼用した2枚パカにしたり、ラスト人ん家の屋根に突っ込むカット割り……俯瞰・あおりの切り返しなどは原作のコマ割りにかなり忠実であったりと個人的にいろいろ頑張った感のあるのがこの第6面です。

あ、あと音(SE)!

まりもがガラスを抜き取る時のSEは効果の今野康之様(『サマーウォーズ』なども手がけられた大ベテラン!)に

とお願いしてイイ感じのエグさにしていただき、これも気に入ってます。こーゆー「毒気」も『てーきゅう』ならではの可愛さでしょうから!

●『てーきゅう』公式サイト
http://te-kyu.com/

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