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『放課後ミッドナイターズ』竹清仁監督インタビュー
前編 僕らにしか作れないエンタテインメントを作りたい

 8月25日から全国公開される3DCGアニメ『放課後ミッドナイターズ』は、九州を拠点に活動する映像作家・竹清仁の長編監督デビュー作だ。真夜中の小学校に忍び込んだ怖いもの知らずの女の子、マコ・ミーコ・ムツコの3人組と、夜な夜な勝手に動き出す人体模型のキュンストレーキ、その相棒である骨格標本ゴスが繰り広げる大騒動が描かれる。ちょっぴり不気味なムードも漂わせながら、徹頭徹尾コミカルな楽しさに溢れた娯楽作として、またアニメーションとしても非常に見応えある快作に仕上がっている。長い歳月をかけて本作を完成させた竹清監督に、たっぷりとお話をうかがってきた。

PROFILE

竹清 仁(Takekiyo Hitoshi)

1967年、福岡県生まれ。九州芸術工科大学(現・九州大学)画像設計学科を卒業。株式会社東映、神戸芸術工科大学勤務を経て、空気モーショングラフィックス(現・KOO-KI)の設立に参加。短編アニメ、CM、イベント用映像などの演出を数多く手がける。2012年、モンブラン・ピクチャーズ株式会社を設立。その第1回作品が本作である。

取材日/2012年7月26日
取材場所/東京・銀座 ティ・ジョイ
取材・構成/岡本敦史
撮影/永塚眞也

── まず、企画が立ち上がった経緯から訊かせてください。

竹清 今回の映画は制作に5年かかっているんですが、その2年前に人体模型のキャラクターだけが出てくる短編を作っているんです。そもそもは、人体模型が夜の小学校でボケたおすという、ドリフのコントというか「Mr.ビーン」みたいなシリーズを作りたくて立ち上げた企画でした。それで短編を1本作ったところ、わりと評判もよくて、海外で賞をいただいたりしたので、本格的にお金を集めて動かそうとしたんです。その時に「せっかくなら、最初はダメもとで劇場作品の企画として売り込もう。あとで短編シリーズになってもいいから」という話になった。それで、短編シリーズのつもりだった企画を長編のものに変えたんです。そうしたら、ティ・ジョイの紀伊(宗之)さんという、今回のプロデューサーを務めてくれた方が「面白い、やりましょう」とのってくださった。そんなかたちで今に至っています。

── 数年前、ティ・ジョイ系列の映画館で、人体模型のキュンストレーキが踊りまくるだけの謎の映像が流れていましたよね。あれはいつ頃に作ったものなんですか。

竹清 あれは、それこそ紀伊さんと一緒に「映画をやろう」という話が決まった直後に作ったものですね。『放課後ミッドナイターズ』は、作り手である僕らと、作品を上映してくれる映画館側が直接組んでやっているプロジェクトなんです。配給会社を挟んでいないので、だからこそできることをやってみようよ、と。僕らの制作拠点は博多なんですけど、博多で作ったものをサーバーで全国各地の映画館に送って、それをそのまま上映してもらいました。

── あの短い映像は、要するに長編のトレイラーということだったんですね。

竹清 ええ。映画館に来たお客さんが「なんだろうアレ?」って、ちょっと気にしてくれるようなバズ(=口コミ)のきっかけになればいいかと思って。

── でも、そこから完成まで5年かかったわけですね。

竹清 いろいろ紆余曲折ありまして……(苦笑)。

── 最初に作られた短編では、人体模型の名前も違ったんですよね。

竹清 最初は名なしだったんです。僕らは裏でモックンと呼んでました。

── え、あの俳優さんがモデルなんですか?

竹清 いえ、内臓の「モツ」と、人体模型の「モ」をとって。

── なるほど(笑)。

竹清 最初の短編では喋れないという設定だったんです。「ガラガラガラ」って、うがいする時みたいに喉を鳴らすだけで。その設定が、長編にも少し残っています。

── 作品の企画が生まれたのは、やっぱりあの人体模型のキャラクターを思いついたからなんですか。

竹清 そもそもの発端はですね……僕らは博多でKOO-KIという会社をやっていて、CMの映像などを作っているんですが、ある時、自分たちでも何かオリジナルの映像作品を作りたいということで、何人かで企画を立ち上げたんです。その時に、スペースシャワーTVのステーションIDに登場させたキャラクターを、また使いたいと思ったんですね。それが、モーションキャプチャーを使った4つのアニメキャラクターで、ドラキュラと、人体模型と、キリストと、忍者だった。

── そのキャラクターが、企画の源になったわけですか。

竹清 ええ。それがとても面白かったんですよ。いちばん面白かったのは、実はキリストだったんですけどね。さすがにキリストを使ってひたすらボケたおすアニメを作るのは難しいだろうと(笑)。それで人体模型を選んだんです。いわゆる素っ裸状態で、内臓むきだしでリアルに動く姿というのが、すごくおかしくて。

── 外見的にこのキャラクターはいかがなものか、みたいな声はなかったんですか?

竹清 それはもう、みんなに言われました(笑)。だからこそ面白いとも思ったんです。人体模型が主人公のアニメなんて、誰もやっていないですから。それに「パッと見は気持ち悪いキャラが、観ているうちにだんだん愛らしくなってくる」という見せ方がうまくできれば、非常に強いキャラクターになるだろうと考えたんです。

── 監督の中では勝算があったんですか。

竹清 僕の中では、わりとありましたね。いったん好きになってもらえれば、この外見でもイケるんじゃないかと。

── 作品を観ていて、人体模型のキュンストレーキだけでなく、どのキャラもみんなきちんと愛らしく描かれていると思いました。そのあたりは意図どおりなんですか。

竹清 観終わった時、お客さんが全てのキャラクターのことを好きになって帰ってもらいたいな、という気持ちがありました。その辺はちょっと気にしたかもしれません。

── 企画当初から、完成した作品と同じようなプロットがあったんですか。

竹清 最初の短編を作った頃は、ただ「Mr.ビーン」みたいな作品がやりたかったので、今みたいなストーリーは全然ありませんでした。5年前に劇場版として作ろうとなった時、脚本家の小森(陽一)さんに声をかけて、一緒にシナリオを作っていきました。

── シナリオの第1稿から、劇場版が完成するまでの間に、内容的に大きく変わったところはありますか。

竹清 結構ありますね。小森さんが最初に作ってきたストーリーは、ハートウォーミングなお話だったんです。もう確実に泣けるような。だけど、そういう「いい話」を正面から映像化しようと思ったら、役者の力、つまりキャラクターの芝居ってすごく重要になるじゃないですか。

── そうですね。

竹清 初めての座組みで長編3DCGアニメを作るという時、正直そこまでやれるかどうか分からなかった。それよりは、気楽に楽しめるポップコーン・ムービーというか、パーティ・ムービーにした方が勝算もあると思って。
 今、僕は「九州にピクサーを作る」と豪語してるんですけど、とはいえピクサーの真似をしようとは思ってない。僕らでしか作れないエンタテインメントを作ろうという考え方でやってるんです。例えば、ピクサーなら普通にハートウォーミングな感動作も作れるだろうけど、今回のような題材にはあえてチャレンジしないと思うんですよ。「人体模型がボケたおすコメディ」は、僕らにしか作れないだろうと。

── なるほど。

竹清 それで、小森さんには悪いけど今回は別の方向で……ということで、悪ガキ3人組と人体模型のガチ対決という案を出してもらったんです。要するにティム・バートンの「チャーリーとチョコレート工場」ですね。僕としても、そっちの方が面白そうだということで、今のかたちになったんです。

── 結構、劇的に変わったんですね。

竹清 ええ。シナリオが上がってからも、絵コンテ段階で少しずつ変えたり、新しいアイデアを足したりしています。

── キャラクターも途中で膨らんだりしたんですか。

竹清 そうですね。ラビッツ3兄弟は、当初はこんなに濃いキャラではなかった。最初はマミム(マコ・ミーコ・ムツコ)の3人に招待状を届けに行くだけの役割しかなかったんですけど、僕が勝手に膨らませて、ああなりました。あとは、ハエ君とシャブリの関係なんかも、あとからつけ足した部分ですね。

── CGアニメに対してよくいわれる「表情が弱い」とか「動きがぎこちない」とかいった弱点を克服してやろう、みたいな意識はあったんでしょうか。

竹清 逆に、いかがでしたか? ご覧になって。

── 僕は、そのあたりのハードルを克服してるように見えました。失礼な言い方ですけど、CGアニメによくありがちなイヤな感じがしないな〜と思いながら、最後まで楽しんで観ました。

竹清 ああ、よかったです! そう言ってもらえたら成功だと思います。僕もそこはすごくこだわっていましたから。

── 具体的には、どんなこだわりが?

竹清 例えばモーションキャプチャーに関していうと、僕の目から見ると、この技術を有効に使いきっている作品があまりないような気がしていた。それで今回は、モーションキャプチャーの面白さをしっかり出すために、地元の劇団の役者さんと一緒に役作りをしたんです。

── ああ、モーションの元になる役者さんと。

竹清 そうです。さながら舞台稽古みたいに、けっこう時間をかけて、しっかりやりました。「キュンストレーキだったらこんな動きをするよね」とか、「ゴスだったらこんな反応をするよね」とか。そんな風に、キャラクターの性格に即した芝居をずーっと作っていった。で、本番の撮影の時にはむしろ「アドリブあり」にしたんです。その時のグルーヴで演じてください、キャラクターの解釈さえ間違ってなければOKです、と。だからキュンストレーキとゴスの芝居に関しては、今まで作られてきたモーションキャプチャー・アニメの中でもいちばんイキイキしてるんじゃないか、と僕は自負してるんですけどね。

── 確かに、あの2人の演技は大きな見どころですね。

竹清 今回の作品では、単なる「動き」ではなく「お芝居」の域になるまでやろうと思ったんです。そのキャラクターの性格や感情が見える芝居になるまで作り込もう、と。そこはこだわりましたね。その他のキャラクターについても、ちゃんと表情豊かになるように作りました。でも、これはコメディだからできたことかもしれない。シリアスな演技だと、ここまではいかないかも。

── モーションキャプチャーのキャラクターでも、顔のアップがちゃんと保つところが秀逸だなと思いました。

竹清 そうですね。そこが実は今回の手法の、いちばんのアドバンテージなんです。身体の動きの生々しさは、役者さんと一緒に追求して作り上げていますが、顔と手足の先はキャプチャーしていないので、あとからアニメで作っている。でも、体の芝居がすでにしっかりできているので、それを受けて顔や手足の芝居も描けるわけです。そういうガイドの役割も果たしてくれたので、非常によかったと思います。

── CG作画による顔や手足の芝居を、首から下の芝居に近づけていくということですね。

竹清 うん、近づけながら、一個超えるというか。だから、多少はアニメっぽく誇張した感じになっていると思います。

── 顔の表情に関しても、参考用にムービーを撮ったりしたんですか。

竹清 ええ、しました。モーションキャプチャー用に撮った役者さんの芝居のムービーを、CGアニメーターさんに渡して、必ずそれを見ながら作ってもらうようにしました。「この人は今、こういう感情なんだ」というのが分かるので、それをガイドにして、アニメーターがさらに膨らませる。

── それで、キュンストレーキやゴスの間抜け面がしっかり描けてるわけですね(笑)。

竹清 そうです! 要するに、1人のキャラクターを作るために、3人の個性と力が加わってることになりますよね。まず、モーションキャプチャーで芝居してもらう役者さん。次にアニメーター。最後に声優さん。しっかり感じが出てますよね。

── そこにまた監督の演出も入るわけですよね。各段階において。

竹清 ええ、全部に入ります。

── 特に演出として力を入れた、こだわりどころみたいなものはありますか。

竹清 僕としては、やっぱり芝居にグルーヴ感が欲しかったんです。僕個人が「絶対こうしなきゃダメ」というより、キャラクターとしてのグルーヴ感を出すこと、イキイキとしていることを優先しました。だから、キャラクターの解釈として間違っている、と僕が思ったところを調整するのと、イマイチ飛んでないというか、おとなしすぎると思ったところはケツを叩いて、思い切りやってもらう、そのふたつしかやってないですね。

── キュンストレーキとゴスだけがモーションキャプチャーで、他のキャラクターは全て手づけのCG作画で作られているんですか。

竹清 そうです。

── モーションキャプチャーのキャラクターと、いわゆる2Dアニメに近い手づけの3Dキャラを共存させているところが面白いですよね。その部分は、どのくらい意識されていたんですか。

竹清 わりと普通にうまくいくだろうな、と思ってました。とはいえ、実は初期段階で何度もテストを重ねているんです。完成した映画のルックは、どちらかというと2Dっぽいけれども、完全に2D調でもなく、かといってピクサー調でもなく、というあたりに落ち着いていると思います。このトーンにすることで両者がうまく共存できるだろう、というラインを見つけるまでは、結構細かく探っていきましたね。半年ぐらいかな。

── 十分に下準備した上で、確信を得たということですね。

竹清 そこはすごく大事だったんですよ。というのも、そんなに予算が潤沢な作品ではないですから。ピクサー方面の緻密な画作りを狙うと、撃沈することは目に見えている。かといって、いわゆる2Dジャパニメーションの模倣みたいなことをしても、超えられっこない。それなら手描きで作った方が面白くなるに決まっている。今回、僕らが選んだモーションキャプチャーと手づけの3DCGを融合させたハイブリッド方式で作った時、いちばんよく見えるトーンはどれか。それを掴むために、わりと試行錯誤を重ねました。

── キュンストレーキ以外のキャラクターは長編化にあたって増やしたわけですよね。その作業は、スムーズにいったんですか。

竹清 それに関しては海外のやり方を踏襲していて、いきなりキャラクターを作るのではなく、コンセプトデザインみたいな感じで原案をいっぱい描いてもらったんです。その中で「ミーコはこういうタイプ」「マコはこういうタイプ」みたいなキャラクター性を固めていって、そのあとでデザイン画に移行しました。でも、ここが3Dの難しいところで、デザイン画そのままには造形できない。2Dは2Dのイイ感じでフィニッシュするので、それをまんま3Dモデルに起こしても、うまくいかない。なんでだろう? とずっと考えていたんですが、それはきっと2Dから3Dに翻訳する能力のある人が少ないということだと思い至ったんです。

── センスの問題だから難しいですよね。

竹清 どうしたもんだろうか……と悩んでいたんですけど、ある時「いやいや、日本にはものすごく優れた造形のフィギュアがいっぱいあるじゃないか」と気がついて。それで原型師の人を雇って、いちどクレイモデルにしたんです。「このデザイン画を立体に翻訳してくれ」と。

── おお、なるほど。

竹清 そしたら、すごくうまくいった。大当たりでしたね。だから、ゴスなんかは2Dで詰めたというより、立体で作っていったところが大きいんです

── まずブツとして考えていった、と。

竹清 ええ。マミムの3人に関しては、いちどクレイで作ってみたあと、デジタルでさらに精査していって今のかたちに落ち着いています。いろんなやり方をとっていますね。

── 今回、カメラワークや空間演出によって、映画的なダイナミズムを出すことに注力されているように感じたんですが、そのあたりはいかがですか。

竹清 まず、予算的な面から考えて、密室劇にせざるを得ないのは初期段階で決まっていたんです。だから、舞台は夜の小学校にして、登場人物もあまり出ないという設定にしました。その代わり、ずっと画面に出てくる学校の美術だけは、ちゃんと作り込もう、と。そこは3D作品のメリットですよね。1回しっかり作ってしまえば、どう映しても大丈夫ですから。
 カメラワークも、せっかく3Dで作るんだから動かしたかった。そのぶんコストはかかるけど、映像的にダイナミックになるし、空間性も出るし。それも2Dアニメっぽいというより、わりと実写っぽく動かしたつもりなんです。むしろ実写で不可能なカメラワークはなるべくやめよう、と。

── ああ、なるほど。

竹清 ここの動きはクレーンで届く範囲にとどめるとか、ここは手持ちで撮っている感じにするとか。もっと言うとカメラマンがそこにいて、ちゃんと重さのあるカメラを持っている感じでやろう、と。だから、よく気をつけて観てもらえると、フォローPANしている時とかに、ちょっとカメラの動きが遅れたりしてるんです。わざと。

── おお、それは凄い。

竹清 ちょっとブレさせたりとかね。そういう工夫をすることで、デジタルっぽさを少し軽減したかった。

── それが、なんとなく「イヤな感じがしない」ことにつながってるのかもしれないですね。

竹清 かもしれないですね。デジタルっぽくカッチリしすぎないというか、ファジーなところも入れていく。そこはわりと意識しながら作りました。

── 画面をスコープ・サイズにするというのも、最初から決めていたんですか。

竹清 ええ。あれも実は、とにかくレンダリング・コストが高いから、上下を切っちゃえ! という意図もあるんです。画面の面積をちっちゃくしちゃえ、と。

── うわー! それは思いつきませんでした(笑)。

竹清 そういう経済的・作業効率的な理由もありますし、もちろんスケール感を出したくてスコープにしたという意図もあります。わりといろんな面から考慮して、あの画面サイズがいいだろうという結論になりました。

── 映画の構成的には、どんどん見せ場が続いていくような作りになっていますが、いちばん難しかったシーンはどこですか。

竹清 前半のミュージカル・シーンと、プールのくだりですね。ミュージカルのところは、まずダンサーさんの動きありきで、それがいちばん魅力的に見えるカメラワークにするという、実写と同じ発想で作っているんです。だから、まずマルチカメラでいろんなアングルからの映像をCGで作って、それを適宜切り替えながらオフライン編集でつないでいきました。その上で、音楽にも合わせなきゃいけないし、後半になったらゴスが山のように出てくるイメージシーンもあるしで、えらい大変でしたね。

── プールに関しては、どんなところが大変でしたか。

竹清 これはもうCGだろうと手描きだろうと関係なく、アニメにおいて水のシーンというのは鬼門なんです(苦笑)。

── 水の描写に関しては潔く割り切っている感じでしたね。しぶきとかのエフェクトは作画ですか?

竹清 ええ、エフェクトは作画です。やっぱり3Dでやると非常に手間がかかるので……あれが少し気になったお客さんもいるみたいですね。「うまく馴染んでないように見える」と。僕は多少乱暴でも、ちょっと生々しくていいかな、と思ってるんですけどね。

── そのあたりの割り切り方がイイな、と思って観てました。

竹清 (笑)。

── クライマックスの煙とかも作画ですよね。

竹清 そうです。そもそもハイブリッドで作っているので、作画でもなんでもゴッチャに混ぜ込んじゃっていいじゃん、という乱暴さでやってます(笑)。

── 表現の面で難しかったところはありますか。

竹清 そうですねえ……映画のラストで、それまでずっとコミカルな芝居をしてきたキュンストレーキとゴスが、わりとイイ表情をするところがあるんです。上映時間90分の中で、唯一あそこだけエモーショナルな感じになるというか(笑)。あそこまで来てようやくキュンストレーキの心が動いて、微妙な表情を見せるというカットは、作るのに結構時間がかかりましたね。わりと僕の中でハッキリと「こういうトーンで」というイメージがあったので、その絶妙なところを出すために相当粘りました。さっき言った演出の話と矛盾しちゃうんですけどね(笑)。

── そこだけは譲れなかった。と。

竹清 ええ、あのラストシーンだけですね。担当アニメーターさんに頑張ってつきあってもらいました。

── 基本的にはコメディだと思うんですが、とはいえホラー映画的なムードもあるし、気味が悪いところは本当に気味悪く描けているところもよかったです。そのラインも守りたかった?

竹清 そうです。そこはちゃんと描こう、と。音楽とSEの力も大きいかもしれません。音響の笠松広司さんは、スタジオジブリの作品もやっている優秀な方ですから。

後編 地方を拠点に映像制作を続けるメリット

●『放課後ミッドナイターズ』公式サイト
 http://afterschool-midnighters.com/